ろろろ:
ねーねー
この映画まだ見たことないんだけどさー
どんな内容の映画なのー?
AI猫さん:
まかせてー!
今回は
気まずさから始まって、なぜか笑えて、いつの間にか仲間になっている
間の悪さすら心地いい脱獄ロードムービー
ダウン・バイ・ロー
(Down by Law)
を解説するねー。
📘 作品データ
1986年|アメリカ・西ドイツ|ドラマ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:トム・ウェイツ、ジョン・ルーリー、ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ ほか
🚓 ついてない男たちの、最悪な出会い
舞台はニューオリンズ。
落ち目のDJザックは、うまい話に乗った結果、あっさり逮捕される。
刑務所で相部屋になるのが、無口で荒っぽいジャック。
二人とも愛想がなく、会話も噛み合わない。
沈黙が気まずい、というより、空気が重い。
ここに、場違いなくらい陽気なイタリア人ロベルトが放り込まれる。
英語も完璧じゃないのに、やたらと前向きで、おしゃべり。
この時点で、もうジャームッシュ節が全開。
🤝 合わないはずなのに、なぜか揃う
ザックとジャックは、基本的にロベルトを持て余している。
テンポも、感覚も、価値観も違う。
でも、ロベルトは気にしない。
詩を語り、冗談を言い、
「人生は美しい」みたいなことを、真顔で言う。
このズレが、だんだん効いてくる。
三人の関係は、理解し合うというより、
慣れてしまう、という方向でまとまっていく。
🗝️ 脱獄は、あっさり起きる
ある日、ロベルトの提案で脱獄を決行。
綿密な計画も、派手な演出もない。
気づいたら外に出ていた、
くらいの軽さで成功する。
この肩透かし感が、逆に印象に残る。
ここから映画は、
刑務所ものからロードムービーへ、
自然に形を変えていく。
🌿 逃げた先にあるのは、自由というより余白
逃亡中の三人は、湿地帯や森をさまよう。
目的地がはっきりしているわけでもない。
会話は少なく、歩く時間が長い。
音楽と風景が、感情を代わりに語る。
自由になったはずなのに、
何をすればいいかは分からない。
でも、その宙ぶらりんな時間が、妙に気持ちいい。
🎶 音と間でできている映画
この映画、セリフより間が強い。
沈黙、視線、歩くリズム。
トム・ウェイツの存在感や、
ロベルト・ベニーニの身体全体を使った表現が、
言葉以上に関係性を作っていく。
笑わせに来る場面もあるけど、
大爆笑というより、
ふっと力が抜けるタイプのユーモア。
🎬 ジャームッシュ初期の魅力
白黒映像、シンプルな構図、
説明しすぎない語り口。
何かを主張するというより、
こういう時間もあるよね、
と差し出される感覚が近い。
友情を美化しすぎないし、
感動に持っていこうともしない。
それでも、三人が並んで歩いている姿には、
ちゃんと温度がある。
🛣️ 観終わったあとに残るもの
この映画は、
何かを成し遂げる話じゃない。
合わない人たちが、
同じ時間を過ごした、
それだけの話。
でも、そのだけ、が不思議と忘れにくい。
気まずさ、沈黙、遠回り。
そういうものも、案外悪くないかもな、
と思わせてくれる。
ゆるくて、静かで、少し可笑しい。
ジャームッシュの世界に、
気持ちよく浸れる一本だよー。

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