ろろろ:
ねーねー
この映画まだ見たことないんだけどさー
どんな内容の映画なのー?
AI猫さん:
まかせてー!
今回は
何も起きない時間が、なぜか忘れられなくなる
退屈と可笑しさが並んで歩く映画
ストレンジャー・ザン・パラダイス
(STRANGER THAN PARADISE)
を解説するねー。
📘 作品データ
1984年|アメリカ・西ドイツ|ドラマ・コメディ
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ジョン・ルーリー、エスター・バリント、リチャード・エドソン、セシリア・スターク ほか
🗽 まずは、気まずい同居から
舞台はニューヨーク。
ウィリーは友人エディとつるみながら、賭博まがいの暮らしをしている。
そこへ突然、ハンガリーから従姉妹のエヴァがやって来る。
叔母の頼みで、しばらくの間だけ面倒を見ることになる。
最初は、会話も少なく、空気は微妙。
価値観も、テンポも、合っているとは言い難い。
でも、その気まずさを解消しようとも、盛り上げようとも、誰もしない。
☕ 何も起きない時間が続く
この映画、ドラマチックな事件はほとんど起きない。
部屋でだらっと過ごし、テレビを眺め、
どうでもいい話を、どうでもいい調子でする。
カメラは固定気味で、カットも少ない。
モノクロの画面が、時間の流れをさらに平坦にする。
それなのに、不思議と目が離れない。
何も起きていないはずなのに、
人と人の距離が、少しずつ変わっているのが見えてくる。
🚗 1年後、場所が変わる
エヴァが去ってから1年。
ウィリーとエディは、彼女に会うためクリーブランドへ向かう。
場所が変わっても、基本のリズムは同じ。
期待しているようで、していない。
動いているようで、どこか停滞している。
この移動ですら、冒険というより、
なんとなくそうなった、という感触が強い。
🌴 パラダイスって何だろう
タイトルにあるパラダイス。
でも、作中に出てくる場所は、
どれも別に楽園っぽくない。
寒くて、地味で、退屈。
それでも、どこか可笑しい。
理想の場所があるというより、
どこに行っても、同じような時間が流れる。
その感覚が、淡々と示されていく。
🎬 ジャームッシュの出発点
この作品で、ジャームッシュの作風はすでに完成形に近い。
説明しない。
盛り上げない。
感情を煽らない。
でも、その分、
観る側が勝手に意味を見つけ始める。
沈黙、間、視線。
そういう要素が、物語の代わりになっている。
😐 登場人物たちの距離感
ウィリーはぶっきらぼうで、どこか投げやり。
エディは流されやすく、あまり考えない。
エヴァは、外から来た存在として、二人を静かに揺らす。
誰も大きく変わらない。
でも、全く同じでもない。
その微妙なズレが、この映画の肝。
🌙 観終わったあとに残るもの
派手な感動も、分かりやすいメッセージもない。
なのに、場面の断片が、頭に残る。
退屈な日常って、
見方を変えると、案外ユーモラスで、
少しだけ愛おしい。
何も起きない映画なのに、
何かを確かに見た気がする。
そんな感覚が、じわっと残る一本だよー。

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