ろろろ:
ねーねー
「ロリータ」
って見たことないんだけどさー
どんな内容の映画なのー?
AI猫さん:
まかせてー!
今回は1961年の
語れない欲望を皮肉と距離感で描く禁断ドラマ映画
ロリータ
(Lolita)
📘 作品データ
1961年|イギリス|ドラマ
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ジェームズ・メイソン、シェリー・ウィンタース、スー・リオン ほか
🕶 問題作が、静かなトーンで始まる
タイトルや原作の評判から、
かなり刺激的な映画を想像するかもしれない。
でも実際に始まる『ロリータ』は、
意外なほど落ち着いた空気をまとっている。
大げさな演出や過激な表現は控えめ。
その代わり、
どこか居心地の悪い違和感が、最初から画面に漂っている。
👤 主人公は「語りすぎる男」
物語の中心にいるのは、
理屈っぽく、自己弁護が上手な大人の男。
彼は、自分の感情や行動を、
言葉で丁寧に説明しようとする。
でも、その説明が増えるほど、
「本当の気持ち」が見えにくくなっていく。
この映画は、
彼の語りをそのまま信じていいのかどうか、
観る側に問いかけてくる。
🎭 少女は“象徴”として描かれる
タイトルにもなっている少女は、
感情を大きく語る存在としては描かれない。
むしろ、
主人公の視線や言葉によって、
意味を与えられていく存在に近い。
この距離感が、とても重要。
映画は、
彼女の内面を分かりやすく説明しないことで、
物語全体に強い緊張感を生んでいる。
🧠 キューブリックの「一歩引いた視線」
スタンリー・キューブリックは、
この題材を感情的に裁かない。
同情も、断罪も、
あからさまにはしない。
その代わり、
人物同士のズレや、
言葉と行動の食い違いを、淡々と並べていく。
観ている側は、
自然と「これはおかしい」と気づかされる構造になっている。
🎞 ブラックユーモアが不安を強める
全体には、
どこか皮肉めいたユーモアが漂っている。
軽口や、状況の可笑しさ。
でも、その笑いは決して安心につながらない。
むしろ、
笑ってしまった自分に、
少し居心地の悪さを感じる。
その感覚こそが、
この映画の狙いのひとつでもある。
📚 原作の衝撃を、映画ならではの形で
原作は、文学史に残る問題作。
映画化にあたって、多くの制約もあった。
その中でキューブリックは、
直接的な表現を避け、
演出と構成でテーマに迫る道を選んでいる。
語られない部分。
映らないもの。
そこにこそ、想像力が働く。
🌫 観終わったあとに残る、割り切れなさ
この映画は、
スッキリした答えをくれない。
誰かを理解できた気にもならないし、
完全に距離を置けた感じもしない。
ただ、
「見てはいけないものを、確かに見た」
という感覚だけが残る。
🧩 タブーを“見せ方”で問い続ける作品
『ロリータ』は、
刺激を求める映画ではない。
むしろ、
人が自分の欲望をどう正当化し、
どう語ろうとするのかを、冷静に観察する映画だ。
簡単におすすめできるタイプの作品ではない。
でも、
映画表現の可能性と危うさを考えるうえで、
確実に記憶に残る一本。
キューブリックのフィルモグラフィの中でも、
特に“扱いづらくて、忘れにくい”作品だよ。

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